「唐草文様」が表すものは

「唐草模様」を泥棒の象徴として、イメージされていらっしゃる方も少なくないかもしれませんが、唐草模様は、先人たちが植物の生命力などを表現し、世界的に広まった代表的なデザインのひとつであります。唐草模様は、あらゆる時代の美術工芸品から見つけることができ、皆さんも現美術館などで絵画作品を鑑賞する際に、その作品が収められている額縁の造形に表現されていたりお寺や神社などの建築装飾などにも使われていることも多く、身の回りの日用品としては着物や風呂敷などにも使用されていることが多いことから、皆さんにも親しまれお馴染みの模様であるのではないでしょうか。唐草模様は、宗教的な人々の信仰と結びつくことが多く、日本には6世紀頃、仏教の伝来とともに渡ってきたのではないかと考えられているようです。古代エジプト、ギリシャ、インド、中国などを経由して、日本にもたらされた唐草模様は、特殊な技術を持つ職人たちが、特別な技術を持って工芸品などに用いていたようですが、時代とともに日本の職人たちの多くが唐草模様を表現できる技術を身につけて行くとともに、唐草文様は、時代とともに日本の全国に広まり現代にも伝承されるまでになったようです。工芸品、仏像、芸術品など、あらゆるものの造形デザインとして使用されている「唐草」は、古来から現代に渡り、世界の人々に共有される代表的なデザインのひとつでもあります。