サセッタの祭壇画と額縁

サセッタの作品である『聖フランチェスコの葬儀と聖痕の確認』は、祭壇画の周りに、ゴシック風の飾り枠が描かれた作品です。絵は、大きなアーチは3つに区切られており、聖母子を真ん中に、聖ペテロと聖パウロが挟むように両側に立っています。また、上には小さな像が三体描かれている、という構成になっています。この絵は聖母マリアを玉座に配したことで礼拝の重要性を表しており、また聖なる存在への賛美を表現しているそうです。造形美が非常に繊細で、この絵を見た者に驚嘆の念を引き起こすとされています。このような祭壇画(聖なるものに描かれている)の中に描かれている額縁は、単純な『縁取り』とは言い切れません。絵画と枠が、切っては切り離せない関係性(物理的にも一体になっている)ということが分かるでしょう。