高額商品とされていた額縁

額縁に関する記録が少ないと言われている中で、いかにその製作が多くの工程を要する大変な作業かを示す興味ある文書が公開されています。

祭壇画とそれに使われる額縁の職人に支払うとされた契約書がそれで、祭壇画に支払う金額を100とした場合、額縁には1.25倍の金額を支払うとされ、その上に祭壇画と同額の金箔仕上げ費用が支払われるとするものです。

その他同様の契約書の類で額縁の仕上げレベルを上げるため追加費用的に支払われるというような項目もあるくらいに額縁製作が如何に手のかかる仕事と見られていたかを知る貴重な資料となっているようです。

これらはいずれも額縁製作の隆盛期とでも呼べる時期の記録かもしれませんが、額縁が貴重品として珍重されていたことを示すものと言ってもいいかもしれません。