階級と農場風景のなかに

美術の授業などでも紹介されることが多いフランスの画家「ミレー」の作品のなかでも代表作であろう「落穂拾い」。皆さんのなかでもご存じの方がほとんどであるのではないでしょうか。

彼の作品にはおだやかな農村の風景の広がりがみられますが、この作品をじっくり鑑賞するなかで読み解くことができるポイントとして、当時の階級社会が描かれているのだそうです。

現代を生きる日本人にとって社会のなかでの大きな格差を感じている方々は多くないかもしれませんが、絵画作品を鑑賞するように第三者の目線から客観的にものごとを把握してみますと、階級社会が人びとの暮らしのなかに実在することはリアルな現実社会の姿として浮彫になるのかもしれません。

実際にミレーの作品「落穂拾い」をご覧になられた方は、彼の作品からのどかな農村風景の情緒を感じ取る方々が少なくないとも思われますが、実際に「落穂拾い」をする労働作業を試みたことのある人びとにとっては、「落穂拾い」が重労働であることが伺い知ることができるようなのです。